顎やフェイスライン、口周りなどのUゾーンにできる大人ニキビはホルモンバランスの乱れが大きな原因のひとつであることがよく知られています。そのためニキビ治療において、皮膚科や産婦人科で経口避妊薬である「低用量ピル」が処方されることがあります。
ピルは昔から現在まで改良を重ねられ、副作用も最初のものほど酷くはなくなってきました。しかし、ニキビの治療に役立つことがある反面、その効果は一定でなく、未だに副作用のリスクはあります。ピルによるホルモン治療を行う場合にはそのリスクなどを十分に考え、慎重に取り扱うようにしましょう。
低用量ピルの効果
ピルはエストロゲンとプロゲスチンの合剤で、過剰な男性ホルモンを抑制し、皮脂の分泌を抑えることによって顎ニキビを治療することができ、ディフェリンや抗生物質では治療が難しい炎症が進んだニキビにも効果を発揮することができます。
しかしその効果は一定でなく、人によっては「全く効果が見られなかった」、「逆にニキビが悪化した」というケースもあるようです。
低用量ピルのリスク
昔使われていた中容量・高容量ピルに比べてマーベロンやアンジュ、ヤーズ、シンフェーズなどの低用量ピルは副作用や不正出血が減ったもののそれでも副作用のリスクはなくなったわけではありません。
副作用としては
・悪心
・嘔吐
・性欲減退
・頭痛
・体重増加
など様々です。特に飲み始めの数日~1ヶ月ほどは副作用がでてしまうことがよくあります。
欧米で最も副作用が少ないとされるマーベロンでも静脈血栓症が副作用としてよく報告されたり、ヤーズは発売から87例の血栓症と3例の死亡例も報告されています。
さらには子宮頸がんや乳がんの発症率が上がる可能性もあるのです。
ピルを使うときの注意点
・ピルを購入する場合
ピルを購入する場合は医師の指導のもと処方してもらうようにしましょう。ピルは薬局で買うことはできませんが個人輸入の商品など自分の判断だけで使用することは非常にリスクが高いのでやめましょう。保険は適用されませんが1シートだいたい2000円~4000円で買うことができます。
・サプリなどの飲み合わせ
ビタミンCや女性ホルモンに似た成分であるイソフラボンなどを含むサプリメントと一緒に服用した場合、副作用がひどくなってしまうことがあるので、飲み合わせなどに関しては医師と相談するようにしましょう。
・血栓症のリスク
喫煙や体質によってはピルを服用することで血栓症のリスクが高くなってしまいます。実際「35歳以上で1日15本以上タバコを吸う方」、「高血圧の方」、「妊娠中または授乳中の方」、「過去に血栓症を起したことのある方」などは内服できなかったりするので、事前によく相談しておく必要があります。
まとめ
以上が低用量ピルの顎ニキビに対する効果や副作用のリスクになります。ピルのようなホルモン治療は人によってはニキビに対して大きな効果を発揮してくれますが、使用する際は病院で処方してもらい、副作用のリスクを理解しておく必要があります。
個人的にはピルの内服は顎ニキビの治療の第一選択にすべきではないと思います。即効性はないが、漢方やサプリを活用し体質を改善していくことや正しいスキンケアで根本的にニキビのできない肌質に改善していくようにしましょう。