通常顎ニキビは悪化するに連れて白ニキビ、黒ニキビから赤ニキビ、黄ニキビなどに変化していきます。このようなニキビを別名で「尋常性ざ瘡 」といいます。しかし、これらの症状がさらに重症化すると「集簇性ざ瘡」と呼ばれる状態となり、その中でも瘢痕やケロイドという症状になってしまうことがあります。
ここではそんなケロイドの原因や治療法について解説していきます。
ケロイドはどんな症状?
顎ニキビが悪化し、炎症が皮膚の真皮まで届いた場合、皮膚の隆起がおこり、やけどの痕のように盛り上がって凸面となった跡が残ってしまう状態のことをいい、顎にできるしこりニキビとは異なります。
ケロイドには真性ケロイドと肥厚性瘢痕の2種類があり、真性ケロイドは大きくなり、痛みがあるのに対し、肥厚性瘢痕は皮膚の隆起は少ないもののかゆみ等を伴うという特徴があります。
ケロイドができやすい部位は?
ケロイドができやすい部位は顔、前胸部、背部などがあり、特に顔の中でもニキビが悪化しやすい顎やフェイスライン、頬にできやすいとされています。
ケロイドができる原因は?
通常はニキビがケロイドまで重症化することはほとんどありません。しかし、顎に何度もニキビが再発してしまった場合、アトピーなどを併発している場合は発症するケースがあり、ケロイドができるきっかけは「傷」だといわれています。ピアスなどが原因でケロイドが発症してしまうことがあるのはそのためです。
ケロイドができるのは遺伝的な要因があるとされ、できやすい体質というのがあるのです。
ケロイド体質の方がケミカルピーリングなどをうけるとケロイド発症の原因となってしまうことがあるため注意しましょう。
顎ニキビのケロイド治療
病院での治療
ケロイドは痕となって残ってしまう可能性が高く、皮膚科で専門治療を受ける必要があります。治療方法としてはステロイド軟膏、抗菌剤、抗アレルギー剤の内服薬を使用し、症状によっては、ステロイド注射、手術療法、放射線療法が併用されることもあります。
顎ニキビを悪化させないために
顎ニキビを悪化させ、炎症を進行させないためには生活習慣の改善が必要になってきます。食生活を見直し、必要な栄養素をバランスのいい食事から摂れているか確認する、十分な睡眠時間を確保する、適度な運動をする、適切なスキンケアを行う、などのことが重要になってきます。
また、ケロイドを発症してしまった場合は、局所を清潔に保ち、喫煙を避けるなどして、すみやかに皮膚科の医師に相談するようにしましょう。
まとめ
顎ニキビが重症化し、ケロイドを発症してしまうと治療費も高く、治療期間も数年かかってしまうこともあります。ニキビを悪化させないために日頃からのケアが大切ですが、ケロイドの状態になってしまった以上は痕になってしまう可能性が非常に高いため、すみやかに医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。